ラジエーターとエンジンブロックの中を循環して冷却を行っているクーラント液。成分は水、エチレングリコール、消泡材、防錆剤です。

クーラント液の冷却性能や不凍性能を左右しているのはエチレングリコールの濃度です。高い冷却効果を求めるなら濃度を低く、高い不凍性能を求めるなら濃度を高くします。薄める前提で使うタイプの商品には大体どれくらいの濃度でマイナス何℃まで耐えられるかという表が載っています。

薄めずに使えると謳われている「ラクラククーラント」のエチレングリコール濃度は50%前後に対し、「ワコーズRHB-P」というチューニングエンジン向けのクーラント液は20~30%。レビューを見てみると、確かに冷却性能は向上するようですが、それは濃度を低くすることで熱伝導率が上がっているというのが大きいでしょう。凍結温度はラクラククーラントが-40℃に対し、ワコーズRHB-Pの-12℃。東北から北の冬場は凍りそうなイメージです。

おそらく新車時点で充填されているクーラント液は、寒い地域から「クーラント液が凍った」というクレームが出ないように、-30~40℃程度まで耐えられる高濃度なものだと思います。その濃いクーラントから凍結温度-12℃の薄いクーラントに入れ替えれば冷却性能が向上するというカラクリです。

ということは、800円程度のクーラント液でも精製水で薄めれば冷却性能が高いクーラント液ができあがるのではないでしょうか。例えば、ロングライフクーラントEX 95%精製水で凍結温度-20℃程度に薄め(住んでいる環境に応じてお好みで)、薄めた分消泡性や防錆効果が落ちていると思うので、WAKOSのクーラントブースターを投入、出来上がった特製ブレンドは新車充填されているクーラント液よりも冷却性能が高いものになっているでしょう。

まだ一度もクーラント液を交換していないJB23に水温計を付けて新車充填のクーラント液と特製ブレンドクーラント液の冷却性能の比較をしてみようかと思います。

2020年冬の各地の最低気温」←クーラントを薄める際に参考になります。