ダブルクラッチとは、シフト操作の際に、次のギアに入れる前に一旦、Nで繋げる動作を言います。
さらにNで繋げた状態でアクセルを吹かし、次のギアの回転数に合わせる事をブリッピングと言います。
なぜそのような操作を行うのかと言うと、それはミッションの仕組みに答えがあります。

クラッチを切ってもミッション内部のカウンターシャフトや各ギアは慣性で回転し続けます。
そのため、無理やりシフト操作してもすぐに回転数が合わず、入りにくい場合があるのです。
ミッション内部では、シフトノブとロッドなどで繋がったスリーブを動かすことで次のギアに連結しますが、ギアのサイズごとに回転差が存在します。その回転差をシンクロナイザーリングが摩擦力によって同期させるのですが、その待機時間がミッションの入りにくさとしてドライバーに伝わります。
昔の車はシンクロナイザーリングの働きが弱かったり、そもそもついていない車もあったため、ダブルクラッチによって一旦Nで繋げることで、エンジン回転とギア内部の回転数を同期させるという作業が必要でした。
ダブルクラッチ不要・必要論争
ダブルクラッチの話になると次のような意見が入り乱れると思います。
- 昔の車はダブルクラッチが必要だったが、今の車はシンクロがついてるからダブルクラッチ不要
- ダブルクラッチでシンクロの摩耗を抑えられるので必要
- 最近の車でダブルクラッチをするのは趣味の領域
これらはどれも正しいのですが、機械的な面であったり、実用面であったり、何に重きを置くかによって意見が割れるところでもあります。
私が思う事としては、「車による」ということです。
スポーツカーのミッションはダブルクラッチやブリッピングなどせずとも、シフトが吸い込まれるようにコクコク入っていきます。そのため、ブリッピングが不要というのもなんとなく分かります。
しかし、私のJB23の場合、古い設計のミッションのうえにギアもかなり離れているので、シフト操作がかなりもたつき、シンクロにも負荷がかかっている感じがあります。
特にシフトダウン時が入りづらく、無意識のうちにダブルクラッチ+ブリッピングを踏むようになっています。
車を大切にしたいと思う人にとってはダブルクラッチは必要な作業だと思います。
シフトアップ時のダブルクラッチ+アクセル煽りは必要なのか?
ここでタイトル回収です。
シフトアップのダブルクラッチの際にアクセルを吹かす操作は必要なのか?ということ。
シフトアップした場合、回転落ちを待たなければならないのに、アクセルを吹かすのはどういう意図があるのだろうかと疑問に思う人は多いと思います。
結論としては、
シフトアップ時のダブルクラッチは意味があります。
シフトアップ時のNでアクセル煽りは必要な場合があります。
ダブルクラッチの意図はエンジン回転とギア内部の回転数を同期させることです。
シフトアップ時は回転落ちを待たなければなりませんが、クラッチを切ってしまうと、ミッションとエンジン回転が同期しなくなります。そこでダブルクラッチで回転落ちを同期させるのです。
そのまま次のギアの回転数でスコンと繋げられればいいですが、
回転落ちが早いエンジン・ミッションやシフト操作がもたつく場合は、アクセルを煽ることで改めて回転を合わせてからクラッチを繋げるというわけです。