えっマジで!?自然農の常識
草は抜いてはいけない
植物は光合成をおこなうことで水とCO2からブドウ糖を作り出していますが、ブドウ糖は全て使われるわけではなく一部は根から排出され、土壌の有機微生物に与えられます。根からは有機酸も放出され、有機微生物がミネラルを扱いやすいようにしています。
つまり、植物は有益微生物にブドウ糖と有機酸を与え、対価として有益微生物にミネラルを運んでもらうという共存関係があります。
植物が無ければ有益微生物は生きられないし、有益微生物が居なければ植物は生きられません。
実は多くの害虫は野菜よりも雑草の方を好む場合が多いようです。害虫が野菜を食べるのは雑草が無いのでしかたなく野菜を食べているだけで、草を生やしておけば野菜に虫がつくことは少なくなるそうです。そうなると殺虫剤を噴霧する必要もなくなります。
土が草や枯草等におおわれている状態であれば、雨水に叩かれても栄養が流れず、ある程度の物理性を保つことができます。また、太陽光による焼けを防ぎ、急激な温度変化を和らぐ効果もあります。つまり土の緩衝性が上がり、環境の急激な変化に強くなります。
草を生やすと言っても、草ぼうぼうにするわけではなく、地上から10~20cmくらいまで伸びたところで成長点を切る事で、野菜よりも背丈が大きくならないように芝生のイメージで調整すると、作業性と草のメリットの両方を享受できます。
耕すことは良いことではない
土を耕すということは慣行農法的には良い事とされていますが、事実として人の手が入ることで土壌の生態系や物理性が一時的に壊れてしまいます。そのため、自然が自動調整していた作業(pH調整、病害対策等)を人がやる必要が出てきてしまいます。
トラクターを掛ける弊害として、表土の下のトラクターのロータリーが届かない所に耕盤層と呼ばれる硬い層が形成されてしまいます。それを破壊するためにサブソイラーなどで引っ掻くのですが、そもそもトラクターを掛けなければそのような層はできません。
肥料はあまり与えてはいけない
肥料や農薬の散布によって土壌中の微生物や菌などが減少することが分かっています。そもそも、自然界においては肥料を与えなくても植物は育っているため、自然に乗っ取った方法で栽培を行えば肥料は必要なくなってきます。
一品目が並ぶ慣行農業のリスク
1品目の植物がずらっと並んで栽培されている慣行農業においては、病気や害虫被害や連作障害などのリスクが高く、農薬によってコントロールせざるを得ません。しかし考えてみれば、自然界においては1品目の植物が並ぶという状況は異常です。1品目しか植えなかったり、草をむしったりしてしまうと生態系が崩れ、害虫の天敵が少なくなってしまいます。病気や連作障害についても、1品目しか植物が植えられていない状態が原因であることがほとんどで、雑草を生やしたり、様々な植物が植えられていれば起こりづらくなります。
結局のところ効率だけを求めるなら慣行農法
ここまで自然農法よりに書いてきたけれど、商売として多くの収益を得るというのであれば、慣行農法のやり方が一番効率が良いことは確かだと思います。自然農法がローリスク、ローコスト、ローリターンであれば、慣行農法はハイリスク、ハイコスト、ハイリターン。投資商品と異なる点は、植物は手をかけなくても自ら成長するという特性を持ちます。ハイコストだろうとローコストだろうと植物は成長するのです。そういう点では自然農法にも分があるのではないかと思います。
自然農法が「小さな政府」であれば慣行農法が「大きな政府」。慣行農法は社会主義的で、自然農法は資本主義的なアプローチをとります。どちらが間違っているという訳ではなく、考え方の違いです。ですが、個人的には自然農法の方が楽で自然を友にしている感じがあって好きですけどね。