『JB23W』評判ほど良くない実態:ジャダー・乗り心地・直進安定性

私は「JB23W 10型ランドベンチャー」を2015年に納車してから8年間、90,000km以上乗ってきました。

私のJB23W 10型ランドベンチャー

周りの評判と実際の使用感と言ったところで、大きな乖離があると感じています。

91582kmを示すメーター

この記事ではJB23Wの悪い点に焦点を当て、
ジムニーオーナーである私の経験に基づくレビューを書いていきます。

ジムニーの特徴であり最大の欠点

ジムニーの足回りは前後とも3リンクリジッドアスクル式コイルスプリングです。最新のJB64/JB74も同様です。

これがジムニーの特徴でありながら最大の欠点なのです。

JB23Wの足回り

リジットアクスル式とは、左右のタイヤがアクスルでつながったスケボーのような構造です。

JB23の足回り(リア)

これによって、悪路走破性の向上、耐久性の向上、部品点数の節約など様々なメリットがあるのですが、その反面次のデメリットがたくさんあります。

  • 乗り心地の悪さ
  • 直進安定性の悪さ
  • ハンドリングの悪さ
  • 重量の増加・燃費の悪化
  • 車内空間の圧迫

乗り心地の悪さ

サスペンションはギャップを乗り上げた時に、ショックの吸収とトラクションが抜けないように踏ん張る仕事をしています。
リジットアクスル式では、片方のタイヤがギャップに乗り上げると、アクスルで繋がっているもう片方にも影響が及んでしまいます。そのため、独立懸架式と比べて乗り心地が悪化するのです。
特に、コンビニなどに入る時など斜めにギャップを乗り越えると、車高の高さも相まって、激しい横揺れが襲います。これは独立懸架式では絶対に無い揺れ方です。
また、履いているタイヤと車速によっては、コーナー中にギャップにのると、フッとトラクションが抜ける事もあります。

直進安定性の悪さ

ジムニーは直進安定性も劣ります
スケボーは重心移動で方向を変えますが、ジムニーも左右のギャップによって進行方向が流れてしまうので、ボコボコ道では常に修正舵が必要になります。

ハンドリングの悪さ

ジムニーの作りは単純で、足回りはフレームにたった3点でしか止まっていない単純な作りです。
それに加え、サスペンションのストロークが長く、車高も高いため、ハンドリングはワンテンポ遅れます。独立懸架式の車と比べてしまうと明らかにハンドリングは良くありません。また、後述の「ジャダー」という持病もあります。

重量の増加・燃費の悪化

ラダーフレーム+リジットアクスル式はモノコック+独立懸架式と比べ、ゴツくなり重量が増加します。
ジムニーの場合はパートタイム4WDなので前後にゴツいデフがついています。
これにより動力ロスと重量の増加によって燃費が悪化します。

私のJB23W 10型・TOYO ATⅢの実燃費は15km/Lくらいです。ATになると10km/L走らない個体もあるようです。
最近の軽自動車の燃費は20km/Lくらいが相場であることを考えると、JB23Wは燃費が悪い部類に入ります。

車内空間の圧迫

JB23Wは軽自動車規格(全長3.4m・全幅1.48m・全高2.0m以下)に収まるように設計されています。
高い車高とゴツい前後リジットアクスル式は、制約された空間を圧迫し、車内空間が狭くなります
JB23は4人乗りですが、実際のところ、4人乗用するには厳しい狭さです。積載量も少ない。

国産の現行車でリジットアクスル式を採用している車はジムニーとランクル70くらいしかありません。(他にありましたら教えてください)
リジットアクスルが採用された車が少ない理由は、メリットよりもデメリットが上回るためでしょう。

ジムニーにはジャダーという病がある

ジムニーにはジャダーという持病があります。
一定以上の車速になるとステアリングが激しくガタガタ震え出す現象です。

特にリフトアップ車両や古い車両に多く見られ、最新のJB64もジャダーの発生が確認されています。
原因はおおよそ次の通りです:

  • ラテラルロッドのブッシュの劣化
  • キングピンベアリングの劣化
  • ホイールバランスの乱れ

ジムニーは3リンクなので、横方向の力はラテラルロッドが受け止めています。ワイドトレッドスペーサーを入れたり、大口径ホイールを履いたり、バネ下重量が著しく増加した結果、メーカーが想定した以上の負荷キングピンベアリングラテラルロッドにかかります。

ラテラルロッドのブッシュキングピンベアリングが劣化するとガタが発生しジャダーの原因となります。

私のJB23Wも80,000キロ走った時点でジャダーが出始めました。
ホイールバランスが取られた新しいタイヤに変えたらジャダーは無くなりましたが、ジャッキアップしてタイヤをゆすってみるとほんの少しガタがあるので、近いうちにナックルオーバーホールをやろうと思っています。

関連:TOYO「ATⅢ」快適な乗り心地と悪路走破性を両立したオールテレーンタイヤに履き替えた

実際4WDや4WD-Lを使うシチュエーションは少ない

私の場合、4WDは1年に数回使用するくらいで、4WD-Lについては、何年も前にスタックしたトラクターを引っ張った時と、クロカンをしていたころに使ったっきりです。

滅多に使わない4WD-L

整備された林道やあぜ道程度は2WDでぐんぐん進んで行きますし、荒れた林道でも4WDで事足りてしまいます。4WD-Lが必要になるシチュエーションというのは相当なガレ場です。

グリップの良い舗装路で4WDに入れることは故障の原因になるため非推奨とされており、ほとんど2WDで走行することになります。

バイザーに「四輪駆動は、未舗装路またはすべりやすい道路等の走行に使用してください。」と書いてある

使う予定のないフロントデフとトランスファーを日常的に引きずっているのは無駄なので、通勤用とか、林道程度のオフロードしか走らないとか、傷が気になるという人はジムニーの選択は適切ではないと思います。それなら他のフルタイム4WDの車の方がずっと実用的でしょう。

私もリジットアクスル×4WD-Lを持て余している側の人間なので「お前が言うな」と突っ込まれそうですが。

ジムニーの加速は驚くほど鈍い

JB23Wはギア比がとにかく低い。

どれだけ低いのかと言うと、軽トラよりもギア比が低い。
そのため、出だしがとても鈍いです。
シフトフィーリングは”THE・トラック”という感じです。
ジムニーを乗った後に他の軽自動車に乗ると加速の軽さに驚きます。それほど鈍い車です。

JB23Wは錆びやすい箇所がある

JB23Wには構造上錆びやすい箇所がいくつかあります。
その辺のケアができないと長く大切に乗ることはできません。

フロントフェンダー下部

JB23Wはフロントフェンダー内に泥水が入ることを許してしまう構造をしています。

ここは水が抜けにくい所で、掃除するにはフロントフェンダーを外さなければなりません。
古いジムニーを見ると大体この辺も錆びています。

関連:
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JB23Wの防錆処置とフロントフェンダーの外し方

ボディマウント付近

ボディマウント付近は泥が蓄積しやすい構造をしています。

ヘッドライト下部

水が溜まりやすい所で、バンパーに接触している所の塗装が剥げて錆びやすくなっています。

テールランプ下部

あとは、テールランプ部分からボディを伝った雨水が浸入し、テールランプ下部やラゲッジスペース付近の中空部に泥水が蓄積する構造になっています。

まとめ

JB23Wに限らず歴代ジムニーは人気車種ではありますが、無骨な設計であるがゆえにデメリットが目立ちます。

  • 乗り心地の悪さ
  • 車内空間の狭さ
  • 直進安定性の悪さ
  • ハンドリングの悪さ
  • 燃費の悪さ
  • 加速の鈍さ
  • 錆びやすい箇所がある

など、悪い所を上げるときりがありません

ジムニーを選ぶほどのユーザーであればその辺は覚悟しているかと思いますが、買ってみてから「やっぱり無理」となっては車が浮かばれません。

ジムニーは評判ほどいい車ではない」とジムニーオーナーの一人として主張しておきます。

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